2017年3月に”コカ・コーラ プラス”が販売され、特保のコーラは”メッツ コーラ”、”ペプシ スペシャル”、”コカ・コーラ プラス”の3品となりました。はたしてどのコーラが最も優れているのでしょうか?3つの特保コーラを”宣伝~成分”まで比較(&検討)してみました。
”特保”は”特定食品保健用食品”の略称です。”トクホ”とカタカナで表記されることもあります。
※本稿の情報は2017年7月時点となります。
大前提として3種のコーラは特定保健用食品の認定を受けおり、基本的な効果(&効果のある成分)は全く同じである為、同列で比べることができる商品です。
特保コーラの基本情報
商品としての基本情報をまとめます。
メッツ コーラ | ペプシ スペシャル | コカ・コーラ プラス | |
販売者 | キリンビバレッジ | サントリー食品インターナショナル | ザ コカ・コーラ エクスポート コーポレーション |
内容量 | 480ml | 490ml | 470ml |
定価/市場価格*1 | 150円/108円 | 150円/108円 | 158円/158円 |
バリエーション | 270ml(120円)
1.5L(350円) |
1.5L(350円)
ペプシスペシャル レモンミント(季節限定@2015夏) 480ml(150円) |
なし |
賞味期限 | 6ヵ月(1.5Lは7ヵ月) | 6ヵ月 | 150日 |
販売開始時期 | 2012/04 | 2013/03 | 2017/03 |
*1 市場価格ははまとり調べ@2017/07
内容量を微妙に変えてきているのは戦略的なところだと思われます。
定価はほぼ同じですが、市場価格(はまとり調べ)ではコカ・コーラ プラスだけずば抜けて高いのです。2017/03販売なので、まだ価格下げないように頑張っている感じですかね。いずれは横並びになると思います。
内容量はメッツ、ペプシが1.5Lをもっているのに対して、コカ・コーラが無いというのは欠点のような感じがしますが、コカ・コーラとしては”まずは500mlクラスで並びたい”という意志のような感じもします。1.5Lを出して全体の売上を伸ばすより、集中させて”500mlクラスの売り上げNo.1”というようなタイトルが取りたいのですかね。
特保コーラの宣伝文句
各コーラのパッケージや宣伝サイトから抜粋しました。
メッツ コーラ | ペプシ スペシャル | コカ・コーラ プラス | |
メインの売り文句 | 食事から摂取した脂肪の吸収を抑え、血中中性脂肪の上昇を穏やかにする | 脂肪の吸収を抑え、脂肪の排出を増加 | 食事から摂取した脂肪の吸収を抑えて、食後の血中中性脂肪の上昇をおだやかにする |
商品としての独自性 | 史上初の特保コーラ | ペプシコ社と(サントリーでの)共同開発 | コカ・コーラが初めて出した特保商品 |
味の表現 | 競合コーラよりも高い飲みごたえとコーラならではの味覚を実現 | 「PEPSI」ならではの飲みごたえと爽やかな味わいはそのままに、より食事と一緒にお楽しみいただくべく、さらにキレのある後口に仕上げました | 味わいへのこだわりが強く、また健康寿命への意識の高い日本のお客様に満足いただける「コカ・コーラ」らしいおいしさ |
2016年度実績 | 2016年特保コーラカテゴリーにおいて、No.1の出荷実績
*2016年 年間累計出荷数量(食品マーケティング研究所調べ) |
インテージSRI調べ 特保コーラ市場 販売実績 売上No.1
*販売実績2016年1月-12月(金額) |
※2017年より販売の為、数字無し |
Web | 特設ページ | ラインナップの一つ
(個別ページはあり) |
特設ページは無くなりました。 |
その他 | 「日本人間ドック健診協会」推薦 | (宣伝されていないが、実は日本人間ドック健診協会推薦) | 40代以上の日本人のために生まれたトクホのコーク |
まず、メインの売り文句ですが、どれも同じ効果のはずですが、ペプシだけ”脂肪の排出を増加”という表現を使っています。成分の”難消化性デキストリン”は水溶性の食物繊維で、便の量を増やす効果があります。また、脂肪の吸収を抑える効果もあるので、”食べた脂肪が吸収されずに便として出る”ようなことを言いたかったのだと思います。何にしても言葉を短くしたかったのでしょうが少し略しすぎの感があります。
商品としての独自性は、やはり史上初の特保コーラであるメッツが一枚上という感じがします。
味の表現ですが、メッツはペプシ、コカ・コーラに対してかなり攻撃的です。(メッツコーラの宣伝ページの”DETAIL”には他社との比較が書いてある)やはりコーラとしての実績が乏しさから強気戦略を選んだように思います。対して、ペプシ、コカ・コーラは自社商品に自信のある表現になっています。(ペプシとコカ・コーラは普段からやりあっていますけど)
メッツもペプシも2016年度のNo.1を自称している模様。「出荷数量 v.s.売上金額」で指標も違いますし、調査会社も違うので、どちらも正しいのでしょうけれども。
また対象年齢を絞っているのはコカ・コーラだけで明確に40代以上をターゲットにしていると言っています。
特保コーラの成分分析表
成分はほぼ変わらないです。どれも難消化性デキストリン5gがメインとなっています。
メッツ コーラ | ペプシ スペシャル | コカ・コーラ プラス | |
エネルギー | 0 kcal | 0 kcal | 0 kcal |
タンパク質 | 0 g | 0 g | 0 g |
脂質 | 0 g | 0 g | 0 g |
炭水化物(糖質) | 1.3 g(糖類0 g) | 表記無し | 0 g(糖類0 g) |
炭水化物(食物繊維) | 5.4 g
関与成分:難消化性デキストリン 5g |
5.4 g
関与成分:難消化性デキストリン 5g |
5.2 g
関与成分:難消化性デキストリン 5g |
ナトリウム(食塩相当量) | (食塩相当量) 0g | 18~46mg
※食塩相当量に換算すると0.05~0.12 g(はまとり計算)
|
(食塩相当量)0.08 g
|
カフェイン | 48 mg | 25 mg | 45 mg |
メッツだけ糖質が入っていますが、1.3gだとかなり微量といえると思います。糖質制限ダイエットでも目標は60g/日程度に抑えることですので、1.3g/日程度は許容範囲です。
ナトリウム(食塩相当量)も差が出ていますが、一日に摂取していい塩分は大体6gです。(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書より)実際は10g程度摂取している感じからすると、0.1g程度は許容範囲なのだと思います。
カフェインはペプシが他の半分と少ないですが、インスタントコーヒー1杯でカフェイン100mg未満という感覚で考えると25mgも45mg/48mgもそう変わらないように思います。
結局、成分上はなかなか優劣つけがたい感じですね。
特保コーラの原材料名
原材料名をリストしました。
メッツ コーラ | ペプシスペシャル | コカ・コーラ プラス | |
難消化性デキストリン/炭酸 | ○ | ○
(”/炭酸”の表記無し) |
○ |
カラメル色素 | ○ | ○ | ○ |
香料 | ○ | ○ | ○ |
酸味料 | ○ | ○ | ○ |
甘味料 | アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物
アセスルファムK *1 |
スクラロース
アセスルファムカリウム *1 |
アスパルテーム・L-フェニアラニン化合物
アセスルファムK *1 |
グルコン酸Ca | ○ | 表記無し | 表記無し |
カフェイン | ○ | ○ | ○ |
注釈 | 香料の記載順序は甘味料の後 | 香料の記載順序は甘味料の後 |
*1 アセスルファムKとアセスルファムカリウムは同一の成分
ペプシだけ甘味料が異なりますが、甘味料は全て人工甘味料なので、味の差をつけるためのものと思います。また、この人工甘味料のバランスについてもメッツとコカ・コーラの順番が同じなのに対して、ペプシだけスクラロースが先頭に来ています。甘みだけを見るとメッツとコカ・コーラは似たような狙いがあるように思えます。
メッツだけ入っているグルコン酸Ca(カルシウム)はカルシウム不足の方が摂取するようなミネラルなので、過剰摂取しなければ健康に悪いということはなさそうです。
最後に香料の順序ですが、一般的に原材料名は多い順に記載されているものだと思います。香料が甘味料よりも上だということはメッツコーラはそれなりに多くの香料をつかっているのだと推察されます。
まとめ
現状ではペプシ スペシャルが少し良い感じがしますが、大差無いと思います。
価格の比較では明らかにメッツorペプシになります。メッツとペプシの3本の価格でコカ・コーラ プラスは2本しか買えません。
味は好みですが、個人的にはペプシスペシャルが優勢です。
コカ・コーラ プラスはコカ・コーラの期待感からすると少し物足りない感じがしました。味のリニューアルが来そうですね。
メッツ コーラ | ペプシスペシャル | コカ・コーラ プラス | |
商品イメージ、マーケティング | ◎最初に出したインパクト
△店頭では一番見かけない*1 |
◎サントリー・ペプシの2社の飲料ブランドとしての実績
◎メッツコーラには並んだか追い抜いた感じ。店で一番見る特保コーラ。*1 |
◎世界No.1の飲料ブランド
○元々コーラと言えばコカ・コーラ。他の2社にどこまで追いつけるか。*1 〇パッケージ白で独自性あり |
コーラ実績 | 〇特保コーラの先駆者
△コーラの実績としては弱い |
◎コーラの実績としても、特保コーラの実績としても良し、既にペプシ スペシャルのリニューアルもした | ○コーラとしての実績は十分、メッツ、ペプシのコーラを吟味した上での開発はプラスに働きそう |
価格 *2 | ◎市場価格は十分下がっている | ◎市場価格は十分下がっている | △まだほぼ定価、1.5Lが無いのもマイナス |
健康 | ○他2社と比べて大差ない
◎食塩相当量0g △香料に不安を感じるなら他のコーラを |
○他2社と比べて大差ない
◎糖質0g |
○他2社と比べて大差ない
◎糖質0g |
味*1 | やや苦みあり、過去のコーラと比べられないので評価難しい *1 | コーラとしての違和感が少ない*1 | バランス型、普通のコーラより弱い感じあり*1 |
*1 はまとりの感想です
*2 市場価格ははまとり調べ@2017/07
特保コーラはいずれもダイエットには有効な飲み物です。是非、糖質制限ダイエットの投稿もご覧ください。