デコレーションが必要な文書を作る際に「もっとこういうフォントがあればいい」と思うことがありますよね?例えば、年賀状で日本語らしいフォント、チラシなどで見栄えするフォント、楽しそうなフォントがあったら良いですね。本稿では、フォントをインストールするノウハウについて書いていきます。
フォントのインストールは簡単だと思います。これぐらいは知っておいた方が良いという情報も含めて、より簡単にフォントインストールに取り組めるように書いていきます。
目次
フォントとは?
フォントは、文字の形状を表すものです。例えば「MSゴシック」はマイクロソフトが作成したゴシック調のフォントです。
仕事ではMSゴシック一辺倒だったりするかもしれませんが、フォントによって印象は大分変わるので、特に強く印象を持たせたいケース、雰囲気を出したいケースなどは適するフォントを使いたいものです。
フォントは個人で作成することもできます。(凄い根気がいると思いますが)
そして、個人で作ったものを配ってくれている方もいます。こういったものを自分のパソコンに取り入れて、文書を作成することで味のある文書にすることができます。
フォントを取り入れる注意点
フォントを扱う際にいくつか注意点があるので記載します。
フォントは文書についていかない
前述していますが、フォントは「自分のパソコン」に入れるものです。つまり、自分のパソコンでどこかから持ってきたフォントを使って作成しても、別のパソコンに同じフォントがなければ、表示がうまくいかなくなります。これは、新たにインストールしたフォントに限らず、プラットフォームが異なる(例えばWin/Mac)状況で情報をやり取りする際にも起きることです。
特別なフォントを入れて使ったら、そのパソコンで印刷(もしくはPDF化)するか、移動先のパソコンにも同じフォントを入れる必要があります。
対応している文字種類に気を付ける
フォントは一つ一つの文字に対して作っていくものなので、ひらがなだけ作っているフォントなども存在します。
基本的にはこの3種類で見分けます。3種類対応しているものもありますし、1種類しか使えないものもあります。
- ひらがな対応
- カタカナ対応
- 漢字対応
そして漢字の対応にはもう少し細かく種類があります。よく使われる表現について説明します。
小学校xx年対応
フォントの説明に”小学校xx年対応”のようなものがあります。要は小学校1年生で習う漢字に対応している、2年生で・・・のようなことです。ひらがな、カタカナと比べて漢字の文字数は多いので、全部対応しきれないということですね。
こういったフォントは実質漢字が使えないと思った方が良いです。(小学生の漢字の範囲は狭いのです)
JIS対応
フォントの説明にJIS対応について書いてあることがあります。簡単にどういうものかだけ説明します。これも、どの範囲までフォントが対応しているかという指標です。
良く出てくるのは以下の3つだと思います。
- JIS X 208(第1、第2水準漢字、非漢字)
- JIS X 212(非漢字、補助漢字)
- JIS X 213(第1~第4水準漢字、非漢字)
普段使うような漢字と記号はJIS X 208+JIS X 212に含まれます。
常用漢字と呼ばれるものは第1水準漢字に含まれる(つまりJIS X 208に含まれる)ので、これに対応しているフォントであれば、まず問題ないでしょう。
補助漢字にはギリシャ文字やラテン文字が含まれるので、これらを使いたい場合はJIX X 212に対応している必要があります。
JIS規格が書いてあるようなフォントであれば、使うにあたってまず問題無いと思います。
漢字検定対応
例えば、「日本漢字能力検定1級配当漢字」に対応しているという表現です。
この場合、大抵はJIS X 208にプラスして対応しているはずです。つまりは普通に使う分には問題ないということを言っています。
TrueType/OpenType
これもフォントの説明のところにだいたい書いてあると思います。
これはフォントの規格なので見た目が同じでもTrueType、OpenTypeが存在します。拡張子が異なり、「ttf」と「otf」で見分けられます。(True Type Font/Open Type Font)
フリーで配られているものは歴史的にTrueTypeが多いと思いますが、OpenTypeもあります。第3水準、第4水準を扱うようなフォントはOpenTypeになると思います。
古いソフトを使っている場合はTrueTypeしか使えない可能性が高いです。例えば、古い年賀状のソフトを使い続けている場合などが当てはまります。この場合、TrueTypeフォントのものを選びましょう。逆にOpenTypeフォントのみ対応するようなソフトは少ないと思います。
かといって、今はあまり神経質にならなくても大丈夫です。うまくフォントが使えないケースがあった場合に思い出してください。(おそらくいつかはOpenTypeに移行すると思いますけど、今は大丈夫。)
商用利用/著作権
大抵の場合、完全フリーではなくて、著作権の保持、商用利用の可否について説明がついています。これらを遵守するようにしましょう。
フォントを探す
私はだいたいFont Freeで探しています。フォントの数が多いだけでなく、フォントの説明もわかりやすいです。
フォントをインストールする
フォントのインストールはとても簡単です。zipになっている場合は、先に解凍してください。
拡張子「ttf」または「otf」のファイルがフォントの本体となります。
Windowsの場合
フォントのファイル(ttf/otf)をダブルクリックします。フォントのプレビューのダイアログがでてきますので、上方向にある「インストール」ボタンをクリックしてインストールします。(これだけ)
Macの場合
MacOS 10.3以降では、Font Bookが使えます。Windowsと同様にフォントのファイル(ttf/otf)をダブルクリックして、Font Bookを起動してインストールできます。Font Book(画面)の右下にある「インストール」ボタンをクリックしてインストールします。
MacOS 10.3以前は、フォントファイルを以下のフォルダにコピーしていました。
<ユーザーホーム>/ライブラリ/Fonts
MacOS 10.3以前の場合はこの方法でやってみてください。
フォントを使う
インストールしたら即使用が可能になります。
アプリケーション(Office製品のようなソフト)は大抵の場合はフォントを認識するのに再起動が必要になりますので、既に起動している場合は再起動してください。
まとめ
フォントの種類が多いと表現の幅が広がります。そして、自分の実力以上に見た目が良いものができる場合もあります。
- 世の中にはフリーのフォントが沢山ある
- フォントを変えることで表現しやすいことも多い
- インストールはとても簡単にできる
フォントのインストールはそれほど悪さをすることが無いので、まずはよさそうなのをもってきてインストールしてみるのが良いと思います。一度、フォントを入れてみれば、気軽に入れられるようになるはずです。