OpenOfficeをご存じでしょうか?表計算や文書を作成する際に、Microsoft Officeのライセンスが無いからといって諦めていたり、購入に走ったりしたことありませんか?そんな時に無料で使える高機能のオフィスソフトがあったらどうでしょう?使ってみたいと思いませんか?
本稿では、OpenOfficeを紹介します。私にとってはとても身近なソフトですが、友人と話してみると意外に知られていないようです。
1. OpenOfficeとは?
とても簡単に言うとMicrosoft Officeと似たような機能を持つオープンソースです。
サン・マイクロシステムズが主導したOpenOffice.orgプロジェクトが提供していましたが、オラクルによる買収などがあり、現在はその後継といえるApache OpenOfficeとLibre OpenOfficeの2種類が存在します。
どちらもWindows、Mac、Linuxで使用可能です。このプラットフォームの多さも強みです。
2. どういう機能があるのか?
大きな機能で一覧にしました。Microsoft製品が良く知られていると思うので、機能をMicrosoft製品に当てはめてみました。
機能名 | ソフト名 | MSと比較 | 説明 |
データベース | OpenOffice Base | Access | (簡易)データベースを作ってクエリーかけたりフォームを作ったりして使用するものです。Accessよりも使いづらい感じがします。残念ながら使っている現場を見たことがありません。 JDBC/ODBCで接続するので、他のデータベースにも接続できます。(自作)テストロボットのデータベースとかにするぐらいかな? |
表計算 | OpenOffice Calc | Excel | 一番使えると思います。自分用の表計算ソフトとして使うのであれば十分な機能です。もちろんCSV出力可能です。 Excel形式の保存も可能なので、作った表をExcelに持っていくこともできます。 |
お絵描き | OpenOffice Draw | ワードアート | ワードアート+αのお絵かきツールです。色々できるのでどこでもお役に立ちます。 実際の使い方は絵を書いて、コピー&ペーストでペイントのような他のドローソフトに貼り付けて取り込む感じです。 |
プレゼンテーション | OpenOffice Impress | PowerPoint | パワーポイントと同じ使い方ができます。デフォルトのテンプレートはほぼ無いに等しい状態なので、インターネットからテンプレートをダウンロードしてくる必要があります。(Libreは若干多いけれども) 省庁で公開されている資料の中にはImpressで作られているものがあると思います。(そう見えるものがある) ものとしては良いのですが、日常ではあまり使わないですね。 |
数式書き | OpenOffice Math | 数式エディタ | Σや√などの記号を用いた数式がかけます。 使う人は使うのだろうけれど、私は全く縁がないです。(汗) |
文書 | OpenOffice Writer | Word | Wordと同等の機能を持っています。私見ですが、Calc同様にOpenOfficeが最も力を入れているソフトです。 日常で使用するには表計算ソフトよりは出番は少ないですが、十分使えるレベルにあります。 Word形式の保存も可能なので、作った文書をWordに持っていくこともできます。 私は旅のしおり作りにこれを使っています。 |
すべての機能がかなり高いレベルにあり、市販ソフトと比べても全く遜色ありません。
個人使用でのおすすめはCalc、Draw、Writerです。他の機能も良いのですが、用途としてあまり個人使用しないものですね。
3. お金はかかるのか?
オープンソースなので、誰もが無料で利用可能となっています。オープンソースの文化での利用のお返しは”寄付”や”開発参加”なので、可能であれば是非。
ライセンスとしてはApacheはApache License、LibreはMozilla Public Licenseとなっています。普通に使う分にはそれほど気にすることは無いでしょう。
4. 見たことないけどどこで使っているのか?
あくまで私の個人的なイメージですが、民間企業で見るとしたら公共(省庁)に関わるところでしょう。後は小さな自営系の会社などで使われていることがあります。私の経験ではMicrosoft Officeに出会う確率よりもかなり低いです。
私自身は現在、Apache OpenOfficeとLibre OpenOfficeの両方を使っています。
元々は個人的にApache OpenOfficeを使用していたのですが、仕事上Libre OpenOfficeを使用している相手がいたので、データの互換性の問題で両方使うことになったという経緯です。
私はWindowsとMacの両方を使っているので、OpenOfficeで助かっています。
Drawでアイキャッチ画像作ることもありますし、表計算のCalcはどこでも使えます。また、旅のしおりを作るのにWriterを使っています。普段づかいでMS製品である必要はあまりないのです。
5. ApacheとLibreのどちらを使うといいのか?
どちらでも良いと思います。
しかし、個人に閉じて使うのであれば問題ありませんが、データのやり取りをする場合は相手方に合わせた(合わせてもらうか)方が良いです。例えば、相手がLibreを使っていて、こちらがApacheを使っているような場合、データでやり取りするとフォーマットが崩れたりするようなことが実際に起きます。(もちろん使用する細かい機能によると思うのですが)
現状はApacheが開発を進めていて、Libreがそれを取り込んで独自色を出しているイメージです。それぞれ機能が異なることもあります。(具体的にはメニューすら違うところが散見されます)
私はApacheの方が使用期間が長いので、”主観がかなり入りますが”、初めてならばApacheの方が使いやすいです。
追記@2017/11/09
匿名さんから以下のコメントいただきました。
”セキュリティのバグフィックスがかなり遅いのでLibreofficeのほうがよろしいかと”
実際に確認したところリリースの回数に関してはApacheとLibreでは大きな差があります。Libreの方が圧倒的に新しいリリースが出ている回数が多いです。リリースの回数はソフトウェアの力を測れる指標の一つですが、品質が伴わなければ意味がありません。個人的な観点になりますがApacheもLibreもそれなりの品質を保っており、Libreの方が機能追加が多いことを考えると少なくとも現時点ではLibreの開発体制の方が優れていると言えるかもしれません。
上述した通り、私はApacheをメインで使っているので、”主観”がかなり入っています。使いやすさというところでは、Apacheの起動時間の速さも含んでいるので、”初めてならばApache”という表現につながっています。
バグが命取りになるようなケース、つまり仕事が絡む場合はLibreの方が良いかもしれません。私自身、Apacheは個人使用、Libreは仕事で使っているので、実際にそういう側面があるとも言えます。
個人で閉じて使う場合、どちらも有効なオフィススイートだと思います。まだ使ったことが無い方はどちらでもインストールしてみて、まずは”OpenOfficeは使えるオフィススイートだ”ということを体感していただくのが良いと思います。
最後にApache、Libreのセキュリティページのリンクを置いておきます。
セキュリティに対するポリシー的な内容は大差ありません。しかし、対応の履歴を見ていると匿名さんのコメント内容が良く理解できます。
6. Microsoft Officeとの互換性は?
あります。互換という意味では、Libreの方があるように思っています。
しかし、仕事の相手がMicrosoft Officeを使っていて、データのやり取りをするのであれば、Microsoft Officeを使うべきです。
7. ダウンロードとインストール手順
ApacheもLibreもどちらもダウンロードして、インストーラーを実行するだけで使い始められます。
Apacheはこちらからダウンロードします。
https://www.openoffice.org/download/index.html
Libreはこちらからダウンロードします。Libreは安定版が良いような感じがしますが、最新版もおいておきます。
安定版
https://ja.libreoffice.org/download/libreoffice-stable/
最新版
https://ja.libreoffice.org/download/libreoffice-fresh/
インストールはどちらも特に選択肢がほぼ無いので、標準でインストールすれば良いでしょう。Libreの方はダウンロードボタンを押すと寄付画面に移動しますが、寄付が必須という意味ではないです。(裏でインストーラのダウンロードが自動で走っています)
インストール後のディスク容量(Windows)で比較してみました。
OpenOffice4.1.3が323MB、Libre5.4.0.3が406MBとなっています。Libreの方が若干多いです。機能の差もあるのですが、テンプレートなどの付属品がLibreの方が多いということもありそうです。
今回、この投稿を書く為に最新版を入れました@2017/08/29
まとめ
Microsoft Officeでなければならない理由がなければ、OpenOfficeを使えば良いと思います。私は複数台のパソコンを使用していますが、Microsoft Officeを使うのは会社貸与のパソコンだけで、他はOpenOfficeを使っています。
- OpenOfficeはオープンソースである
- お金はかからない(もちろん寄付するのはおすすめ)
- すべての機能が高いレベルにある
- Win、Mac、Linuxで使用できる
個人的には何も考えずにMicrosoft Officeを購入するのはとてももったいないと思います。友人とやり取りするぐらいだったら友人にもOpenOfficeを入れてもらえば良いだけです。見せるだけならPDF出力したものを渡せば良いのです。
是非、一度OpenOfficeを利用してみてください。